【インタビュー】サブカルイベントに携わって24年 『高円寺パンディット』店主 奥野さんに聞いた「良いイベントの作り方」
業種を問わず、商売は何事も長く続けることが肝要だ。しかし不景気と叫ばれて久しい昨今、1年ともたずに潰れるお店も少なくない。それが特殊な業態のお店となると、やはり存続が難しい。……のだが、サブカルのイベント会場として、6年も存続しているお店がある。
東京・高円寺の多目的イベントスペース「パンディット」は、2013年12月にオープンし7年目を迎えた。店長の奥野テツオさんは、都内の老舗ライブハウスで19歳から修業を始め、イベント業界で24年ものキャリアを積む、生粋の『イベント人間』である。彼に良いイベントの作り方を尋ねた。
・19歳からイベントに携わって24年
実は当編集部では、以前からパンディットでイベントを開催している。過去には、iPhone行列報告会などで、集客の悪いイベントを何度か繰り返し開催。以来、私(佐藤)は奥野さんとたびたび意見交換をさせて頂く仲だ。
佐藤 「これまで何回もイベントをやらせて頂きましたね」
奥野 「最近やってないですよね、iPhone行列報告会とか。一回中止したイベントがありましたよね。覚えてます?」
佐藤 「忘れる訳ないでしょ。ロックな婦人服を集めてやろうとしたヤツでしょ? 「婦人服品評会」」
奥野 「あれは微妙でしたね(笑)」
佐藤 「以前は今ほどイベントのことをよくわかってなかったんですよ(笑)。今日はそこらへんも踏まえて、良いイベントの作り方みたいなものをお伺いしたいと思ってます。そもそも奥野さんは、ロフトから独立して現在に至るまで、ずっとイベントに携わってるんですよね?」
奥野 「19歳の時に、新宿の『ロフトプラスワン』にアルバイトで入って、『ネイキッドロフト』・『阿佐ヶ谷ロフトA』で初代店長を務めさせて頂きました。それからロフトプロジェクト本社の企画制作、ロフトプラスワンの企画に携わって、2013年12月にここパンディットをオープンしてますね」
佐藤 「43歳の現在までイベント一筋ですか」
奥野 「そういうことになりますかね」
佐藤 「ロフトで長きにわたって勤められた訳ですけど、どうして独立しようと?」
奥野 「シンプルに自分の店を持ちたかったんですよね。そういう気持ちって、飲食やってる人と同じだと思うんですけど、いつかは自分の店って思ってましたねえ」
・見えてくるものが変わった
佐藤 「普段の業務はほ..