インドの路上でオジサンに髪を切ってもらった結果 → メタメタのガタガタになったよ! でもね…

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海外放浪の旅へ出て約3カ月。ヨーロッパの硬水に打たれ、アフリカの日差しに焼かれ、安宿の安シャンプーを浴び続けた我が頭髪はボロボロだ。傷んだせいか茶髪は金髪に変貌をとげて、なかなかにみすぼらしいヘアースタイルを形成している。

現在インド滞在2週間目。ドライヤーのない毎日にトドメを刺された頭髪は、ついにブチブチとちぎれ始めた。さすがにコレはダメだ。帰国すればまた婚活の日々が待っているのだ。今のうちにキューティクルの流出を食い止めなければ……。

インドの街角には店舗を持たない、いわゆる『野良の髪切り屋』が多数存在している。汚い毛先を揃えてもらいに、ひとっ走り行ってみた。

・野良にもほどがある

私が今滞在しているのはインド北部の都市ジョードプル。『ブルーシティ』の異名を持つ、綺麗でのどかな街だ。個人的にはインド初心者にとってもオススメ!

そんな街の市場に……

あった……というか、いた! 髪切りのオジサンである。

道ばたに敷かれた小さなゴザ……というか米袋が彼の仕事場だ。クシとハサミを器用に扱い、少年の髪型をととのえる。まさに熟練の技!

カミソリやクリームも無造作に散らばっている。ペットボトルに入った謎の液体は整髪料のようなものらしい。閉店作業にはおそらく3分もかからないであろう荷物の少なさだ。あまりにも野良! オジサンはその腕ひとつで厳しいインド社会を生き抜いてきたのだなァ!

・金額交渉は事前にネ

ほんの1cmほど整えてほしいんだけど、いくら?」とオジサンに尋ねてみる。すると間髪入れずに「200ルピー!」と叫んだ……のはオジサンでなく、周りの見物人たちであった。 “日本人の女が髪を切る” ということが珍しいらしく、あっというまに人だかりができていたのだ。

200ルピーといえば約307円なので、日本人の感覚では「安い」と感じるかもしれない。しかしチャイが1杯10ルピーで飲めるインドの物価に照らすと、これは完全に暴利である。「ノーノー」と返すと、一気に50ルピーまで下がった。いいかげんなものだ。

オジサンは湿った布を私に巻きつけると、謎の整髪料をガシガシと頭髪にすり込み始める。「もっと塗れ!」と叫んだのは見物人たち。「ン? そう?」とばかりにオジサンは、さらに激しく私の髪の毛をこすりそして……

黙って切ったァーーーーー!!!!!

一瞬の迷いも無ぇーーーーー!!!!!

ってか5cmくらいいってるゥーーーーー!!!!!

・はやわざ御免

私の動揺ぶりを気にとめる様子もなくオジサンはチョキチョキと……それはもう見事なまでにジョキジョキと、ハサミを進めてゆく。……早い。いや、早すぎるのかもしれません。

いくらオジサンがプロであるとはいえ、ビシバシと首筋にハサミが当たるのはけっこう怖い。

おもむろに立ち上がったオジサンは、私の頭を抱えこむようにして後方の毛をカット。 “後ろに立たない” というルールは誰かの遺言なのだろうか?

開始から2分。早くも微調整に入ったもよう。

ここで仕上げにクシを当ててくれるオジサン。できれば最初にやってほしかった。

タオルで背中に付いたカット毛を払い……

頭に付いた毛も払ったら……

オジサン「よっしゃ、上出来や!」

全工程に要した時間は、大げさではなく5分弱。その間オジサンが後ろに回ることは、ついになかった。ひと仕事終えて満足げなオジサン。険しい表情はかわいらしい笑顔に変わっていた。

ちなみに事前に50ルピーで手を打ったカット代だが、最終的に100ルピーを支払うハメになった。これは周りの見物人の中になぜか「100ルピーだ!」と言い出した者がおり、それを皮切りに「撮影したから金を払え」とか言い出す者まで登場したためやむを得ず、という流れだ。

当のオジサンは料金について何も言っていないのでおかしな話ではあるが、「インドではこういうこともある」としか言いようがないのだと思う。今回私は取材も兼ねていたので、穏便に済ませるため100ルピー支払った。そうでなければ断固戦ったかもしれないし、ケースバイケースである。

「日本の物価に比べれば安い」という考えで、言われるままに支払っていたのではいつか足元をすくわれるし、何より他の旅行者に迷惑であると、個人的には思う。海外を旅行する際は多少面倒でも、財布のヒモをかたくして臨めば新たな楽しみも見つかるはずだ。

・夢ならば…

そしてホテルへ戻り、鏡を見た私はこの旅一番の大声を上げることになる。

メ……

メ……

メタメタのガタガタだァーーーーー!!!!!

我が髪型は「自分で切ってもここまでの惨事になるだろうか」というくらい、無残な様相を呈していた。おまけに左サイドに関しては、あまりにも大胆すぎる “切り忘れ” 箇所も存在しているではないか。ちょ、ちょっとまって……あの微調整なんやったん?

そしてオジサンが見もせずカットしたバックサイドに至っては、もはや狂気すら感じる。一部分だけ15cmほども切り込んであり、コメントも再生も不可能だ。『天空の城ラピュタ』においてヒロインのシータは弾丸で髪の毛をカットされていたが、それでもここまで無残ではなかった気が……

うわぁ……

マジかぁ……!

・でもね!

「髪は女の命」というのは確かにその通りである。これが日本での出来事であれば、ヘタすると私は訴訟を起こしていたかもしれない。

しかし……このメタメタにガタガタな髪型を見て、私はショックを受けはしたけれど、不思議とそれよりも「軽くなって嬉しい」という気持ちのほうが強いのである。

それにオジサンは決して下手くそではない気がする。私の前にカットしていた少年の髪型は見事な出来栄えだったし、おそらく女性の髪をカットするのに慣れていないのではないか。おまけにうるさい見物人があれだけいれば、いくらプロでも本来の実力が出せないに決まっているじゃないか。

……そんなふうに思えるのは、インドの大らかな空気のせいかしら? ちなみに本日12月13日は『美容院の日』。髪型が変われば気分も変わる。上がるか下がるかは自分次第だ。傷んだ髪に悩んでいるなら、思い切ってバッサリいくのもいいかもよ!?

さて……日本に帰ったら美容院に直行しようっと。

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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