外国人女性が「日本で妊娠・出産して驚いた6つのこと」

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日本独自の市場で特殊な進化を遂げたガラパゴス携帯。だが「日本 ガラパゴス」なんてググってみると、それ以外にも様々なものがガラパゴス化していることが分かる。教育、自動車、医療、製造業……そして妊娠・出産

ロケットニュース英語版『SoraNews24』のイギリス人記者が、2019年に日本で妊娠・出産し、そこで驚いた「6つのこと」を記事にした。今回は、この記事を抄訳してお伝えしたい。日本人にとっては普通でも、他の国の人から見ると奇妙なことが色々あるようだ。

その1:無痛分娩が一般的ではない

『SoraNews24』の記者が「最も驚いたことの一つ」としてあげたのが、「無痛分娩が一般的ではない」ことだ。彼女のいたイギリスでは、 “ガス&エアー” と呼ばれる笑気ガスをはじめとする出産の痛みを軽減する方法がいくつも存在しており、それらの中から選ぶのが一般的だそう。彼女は、言葉の壁も考慮して無痛分娩を選んだ。

「私の日本語能力では、陣痛に耐えながら、助産師や医師と満足なコミュニケーションが取れそうにありませんでした。ラッキーなことに、最初に診てもらったお医者さんがそのことを理解してくれて、24時間いつでも無痛分娩に対応している病院を勧めてくれました。とても安心しました」

世の中では「出産の痛みに耐えてこそ母親」「無痛分娩は何が起こるかわからないから怖い」なんて声も聞かれるようだが、日本でも無痛分娩を選択する人は徐々に増加している。日本産科麻酔学会の発表では、無痛分娩をした人の割合は、2007年には2.6%だったのが、2016年には6.1%となっている。

その2:内診時のカーテン

日本の産婦人科では、医師と患者が顔を合わせずに済むように、内診台にはカーテンがかけられていることが多い。イギリス人記者の目には、このカーテンが奇妙に映った模様。患者のためなのか、それとも医師が恥ずかしい気持ちにならないためか、どちらかよく分からなかったようだ。

その3:寿司は食べてもいいのに、太ってはいけない

イギリスなどでは、妊娠中には寿司をはじめとする多くの食材が禁止されるそうだ。そのため『SoraNews24』の記者は「日本の妊婦は寿司を食べてもいいの?」とビックリ。そして自国に比べて体重管理が厳しいことから「寿司を食べてもいいのに、体重管理にはうるさいの!?」とダブルで驚いたようだ。

「日本では、体重増加は5キロ以内におさめるように言われました。家に帰って調べてみたら、私の母国では11〜16キロの増加なら大丈夫とされていました。私は最終的に15キロ増えたため、助産師から1度叱られて落ち込みました。でも出産後に体重はすぐに落ちましたし、赤ちゃんも健康です」

日本糖尿病・妊娠学会によると、かつては妊娠中の体重増加をできるだけ抑えることが、安産になると考えられていたようだ。だが最近では、むしろ早産や低出生体重児の原因となることが判明し、適切な体重増加をきちんと得るように指導されるとのことだ。

その4:医者の言うことに逆らわない

『SoraNews24』は「欧米社会に比べると、日本の医師は患者に詳しく説明したり、患者と議論をしたりせず、ただ指図を出すだけのことが多い」と伝えている。プロである医師に全てを決めてもらい、言う通りにする妊婦も多いようだ。当のイギリス人記者も……

「私の国では、バースプランを作成して、どんなお産をしたいか細かく伝えます。“へその緒はすぐに切ってほしくない”、“出産直後から1時間ほど赤ちゃんを抱っこしていたい”、“どんな体勢で出産したいか” などを相談するんです。でも日本では、そういうことは医師が決め、患者側は彼らの仕事を絶対に邪魔してはいけないという雰囲気があるような気がしました」

……と述べている。ちなみに厚生労働省の調査によると、日本の乳児+妊産婦死亡率は、世界的に見ても極めて低い数字になっている。『SoraNews24』も「日本の乳児と妊産婦の死亡率が低いため、妊婦が医師の指示に安心して従うのも納得だ」と書いている。

その5:「戌の日」や「へその緒の保存」など

戌(いぬ)の日に安産祈願をしたり、へその緒を保存したり……イギリス人記者にとって、こういった風習も珍しかったようだ。

「木の箱に入れられた、血のついた、しわくちゃのへその緒を受け取ったときには、やや面食らいました。どうすればいいか分かりませんでしたが、今では捨てるわけにはいかないという気持ちになっています」

彼女は他にも「妊娠中は、お腹を冷やさないように腹巻きをする」「足元は絶対に冷やさない」「里帰り出産」「出産後1カ月は母子ともに家から出ない」という習慣にも驚いたようだ。

その6:費用がかかりすぎる

通常、日本では妊娠・出産にかかる費用は保険適用外だ。妊婦健康診査代が一部補助されたり、出産育児一時金も存在するが、地域や環境、出産方法によって、個人に大きな負担がかかってくる場合も多い。

「日本に比べると、自国での妊娠・出産費用はずっと安いです。帰国するにも別に費用がかかりますし、日本で出産することにしました。東京には英語が通じる病院があって、そこで出産する友人もいました。でも費用はとっても高かった! 私は英語が通じない病院で出産して、自己負担は20万円ほどでした。友人たちよりもずっと安くすみましたが、入院生活は豪華で、素晴らしかったです」

彼女は、入院中のマッサージ、種類の豊富な病院食、トイレ付の個室、赤ちゃんのための無料グッズなどを楽しんだようだ。

── 以上である。これらのことに驚きながらも、彼女にとって日本での妊娠・出産は「素晴らしい経験」だったようだ。

「全体的に見れば、とても良い体験ができました。病院の人たちはみな親切で、力になってくれました。もちろん、日本人の夫も全力で支えてくれましたが、日本語がうまく話せなくても、途方にくれたり、困り果てることもありませんでした。こうなればいいのになと思うことはあっても、自分はとても幸運だったと感じています」

参照元:SoraNews24(英語)、日本産科麻酔学会日本糖尿病・妊娠学会厚生労働省 周産期医療体制の現状について(PDF)
執筆:小千谷サチ
Photo:Rocketnews24、Wikimedia Commons

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