【検証】よいペンを使うと字が上手くなるのか? ゼブラ『ブレン』とダイソーのボールペン対決をしていたら衝撃の結末が訪れた

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初年度100万本を超えるとヒットといわれる筆記具市場で、500万本も売り上げたボールペンがあるらしい。その名もゼブラの『ブレン』。微細な振動(ブレ)を制御し、ストレスフリーな書き心地なんだとか。

異例の大ヒット、と言っていいだろうが、そもそもボールペンってそんなに性能の違いがあるものだろうか。書ければ何でも同じじゃん? という素朴な疑問から、検証実験を行ってみた。ゼブラとダイソー、2本のペンで大量に文字を書いて使用感、耐久性、字の美しさを比較したのだが、その結果……

字の上達を確認する前にダイソーのインクが切れて検証が終わった。

・順を追って説明していこう

両者の比較のため、用意したのはゼブラ『ブレン 0.5mm』(税込165円)と、ダイソー『ゲルインク3色ボールペン 0.5mm』(税込110円)。

ダイソーのは2本入りだったので実質1本55円、3色入っていることを考えると黒色インク部分は18円だとも言える! 驚異のコスパだった。

たくさん字を書くため、課題は同じくダイソーの『心がやすらぐ写経練習帳』を採用した。この冊子のメインである般若心経のページをゴールとする。

実験者バイアス(こうなったらいいなぁという実験者の期待でデータが偏ること)や、練習効果(慣れや上達によって結果に影響が出ること)がないよう、『ブレン』を先入観なしの先攻とする。逆に疲労が出てくると後攻が不利なので、2本のペンは別々の日に検証することとした。我ながらなかなか緻密な実験計画だと思う。

では、実際の検証の様子をお伝えしていきたい。

・まずは『ブレン』検証

うん、まあ、普通?

確かに滑らかではある。10分ほど経過したら、インクが温まったのか、さらに滑らかになった。

1時間経過、ここで初めてペン先を拭いた! よくボールペンの先にできる、インクの塊がほとんどできないのだ! 紙にもインク溜まりがまったくない。これはなかなかすごい。 

2時間経過。疲れてきた……。

集中力の欠如が誤字や略字を呼ぶ。しかもこれ「写経」なので基本漢字。「菩薩」「懺悔」とか画数が多いから余計に時間がかかる。

その後もひたすら、ひたすら、ひたすら意識が遠のくほど書き続け、ゴールの般若心経にたどり着くまで3時間27分31秒。途中、なぜ自分がこんなことをしているのか目的を見失いかけた。お手本のなぞり書きを含めて書いた字は2300字ほど。

書いた字は、元が元なので上手いとは言いにくいが、ここまでまったく滲み、かすれ、インク溜まりなし。線の太さが変わることもなく、インクもたっぷり残っている。インク残量的にはもう一冊できそうだけど勘弁してください

……と、ここまでの感想は「まぁ、書きやすいけど、それ以上でも以下でもないね」だった。しかし翌日、ダイソー製ボールペンで同じことにチャレンジした結果、筆者は『ブレン』のすごさを思い知ることになる。さっそく見てみよう。

・続いてダイソー検証

ん? ダイソーも普通に書ける。

むしろゲルインクの発色が黒々と鮮やかで、書いた字も美しい。ゲルインクは万年筆のようにさらさらとインクが出てくる感触があるから、筆者は普段から好きだ。字が上手く見えるような気がする。

30分経過。やはり疲れてきた……。思った通りのところに線が引けないことが増えてくる。もしかして、これがブレか!?

1時間経過……。そう言われれば3色ボールペンでボディに隙間があるせいか、確かにペン先がグラグラするし、時々ビヨンッというようなスプリングの反発も感じる。ガリガリと紙にペンが引っかかる感触も気にかかる。静かな場所だと音も結構うるさい。

いつもは気づかないくらいの微妙〜な違和感なんだけど、何時間も書き続けていると疲労が蓄積してきてめちゃくちゃ気になる! イライラしてきた!!

おわっ! 手が!

そうだ、ゲルインクはなかなか乾かない。一方『ブレン』のような「エマルジョンボールペン」は、油性インクの発色や速乾性と、水性インクの軽さの両方を兼ね備えた、ゼブラの新技術なのだそうだ。

さらに1時間が過ぎた頃、その瞬間は唐突に訪れた。

インクが……出ない

なぜ⁉︎ 芯にはまだいっぱいインクが残っているのに!

これは何なの、これは‼︎ この黒い部分は飾りなの⁉

その後、いくらグリグリしてもインクが気まぐれに出たり出なかったりまだらになり、紙が凹むだけという状態に陥った。他のボールペンでもあるけど、この見た目では十分にインクがあるのに使えなくなる状態って一体どうなってるの!? ネットで調べた裏技をいくつか試すものの、結局復活はしなかった。

書いた字は1329文字。般若心経にたどり着く前に検証は終わった……。

・両者の違い

誤解のないように言っておくと、3時間、2000文字も漢字を書き続けるという状況は普通はないはずなので、ダイソーのペンが特別耐久性が低いというわけではないだろう。普段使いなら、ゼブラもダイソーも十分に実用に耐える。ダイソーでも綺麗に書けるし、ちょっとメモを取るのに不自由はない。

しかし『ブレン』の真骨頂は、長く書いて初めてわかるストレス軽減効果だ。振動、音、感触など「気になることが何もない」という状態が、実はすごいことなのだとわかった。

ただし、さらっと何文字か書いたくらいでは違いがわからない。それくらい今の100円ショップの筆記用具は優秀だし、『ブレン』は普段は誰も気づかないような、人間の無意識に働きかける微妙な書き心地にとことんこだわった商品だと言える。

公式サイトによると「ダイレクトタッチ」「低重心」「ノイズフリー設計」からなる新技術「ブレンシステム」が使われているという。きっと開発中は何千文字、何万文字も検証し、「この実験いつまでやんの?」と思ったことだろう……。

文字を書く、という人類の文化のため、苦難を乗り越えたゼブラの研究スタッフを称えて検証を終わりたい。『ブレン』すごいよ。

参考リンク:ゼブラ株式会社『ブレン
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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