【本当につらいよ】寅さんを尊敬する私が『男はつらいよ お帰り寅さん』について心を鬼にして伝えたいこと
2019年12月27日、映画『男はつらいよ お帰り寅さん』が公開された。記念すべき50周年にして50作品目、実に22年ぶりの最新作となる本作品の公開を心待ちにしていた方も多いことだろう。
「男はつらいよ」を愛し、寅さんを尊敬してやまない私、P.K.サンジュンもその1人。映画公開初日、ウキウキしながら劇場に足を運んだ……のだが、今この瞬間、記事を執筆するにあたり大変な葛藤と戦っている。
・人生の目標は寅さん
まずは私がどれほど「男はつらいよ」を愛し、そして寅さんを尊敬しているのかを説明させていただきたい。私が「男はつらいよ」に興味を持ったのは今からおよそ10年前、当時30歳であった。テレビの「寅さん特集」をきっかけに、私は「男はつらいよ」に興味を持ったのだ。
View this post on Instagram A post shared by 映画『男はつらいよ』50周年プロジェクト (@torasan_50th) on Jul 27, 2019 at 6:06pm PDT
それまでも当然「男はつらいよ」の存在自体は知っていたものの、同作を観る機会が1度もなく、そもそもどんなジャンルの映画なのかさえ知らなかった。ところがDVDで鑑賞した「男はつらいよ」の劇場版第1作のおもしろいこと、おもしろいこと! 大げさではなく「衝撃を受けた」と言っていいだろう。
それからというもの「男はつらいよ」を全作観たし、柴又にも幾度となく足を運んだ。周囲の人には隙あらば「男はつらいよ」の布教活動をしており、24時間くらいなら寅さんの口調で生活できる。真面目な話、中学生の頃に寅さんと出会っていたら、おそらく私は的屋の道を志していたハズだ。それくらい寅さんに憧れている。
・心を鬼にして
そんな私だからこそ最新作『男はつらいよ お帰り寅さん』について、正直に語らねばなるまい。劇場に行こうとしている人を止める気はサラサラないし、寅さんをこよなく愛する人たちならば、それなりに本作を楽しめることだろう。だがしかし、この作品で初めて「男はつらいよデビュー」することには断固反対する。
物語の内容については一切触れないが、本作は「男はつらいよ」であって「男はつらいよ」ではない。どういうことかというと、これまでの「男はつらいよ」の主役は渥美清さん演じる車寅次郎であるのに対し、本作の主人公は..