「ターバンを巻いているインド人」は約50人に1人しかいないって知ってた? インド人に事情を聞いてみた
「インド人の絵を描け」と言われたとき、あなたはどう描くだろう? パッチリ二重に高い鼻……手にはカレーでも持たせればそれっぽくなってくる。でもそれより何より、まず多くの人が “頭にターバン” を描くのではないか。
日本人にとって「インド人=ターバン」のイメージは非常に根強い。しかし実際にインドを訪れてみると……意外にもターバン人口が少ないことに気づく。これは一体?
ひょっとしてインドではターバン文化が廃れてきているのだろうか? それは非常に寂しいことである。ターバンのインド人をつかまえて事情をきいてみた!
・全体の2%以下
インドの首都デリーで雑貨店を営むパランジット・シングさんと息子のジャスパルさんの頭には、ピシッと巻かれたターバン。彼らは「シーク教徒」なのだそうだ。
そう。そのシーク教徒こそが「ターバンを巻いたインド人」の正体である。国勢調査によるとシーク教はインドで5番目に信者の多い宗教だが、5番目といっても全体の1.7%。つまりターバンを巻いているのは、インド人50人に1人もいないということになる。
シーク教はインドに今も深く根付く『カースト制度』にとらわれない宗教らしい。宗教の性質上、信者には商売熱心な人が多く、街で見かけるターバンの人は皆どことなく裕福そうだ。
パランジットさんに聞いたところ、シーク教徒には海外でビジネスを行う人も非常に多いのだという。とすると、日本を含むインド以外の場所にいるインド人の中では、シーク教徒の割合が跳ね上がっているという仮説が成り立つ。
我々が「インド人=ターバン」というイメージを持っている背景には、そういった理由もあるのかもしれない。
・シーク教徒にインタビュー
英語が堪能なシング親子に、ターバン事情についてお話をうかがうことにした。なお私のほうの英語力があやしいため、あまり難しい質問はできなかったことをお断りしておく。まずは父親のパランジットさんから。
──シーク教の皆さんはなぜ頭にターバンを巻くのですか?
「シーク教徒は髪の毛を切らないのである。だからターバンの中に髪の毛をしまっているというわけなのだ」
──えっ、一度も?
「ウム。当然である」
──本当に?
「生まれてから一度も切っておらぬ! ……ちなみにヒゲも剃らないのだぞ。ヒゲにバンドを巻き、発育を食い止めておるのだ」
──髪の毛の長さ..