山中に突如として現れる巨大な石壁! 神秘の絶景スポット・黒川ダムを巡る / あるいは身をもって「位置エネルギー」を知る大人の社会見学

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日々の忙しい生活を離れて美しい景色を見るというのは、ぜいたくなひとときだ。特に川や海、湖といった水のある風景は不思議と疲れた心を癒してくれる。

今回は兵庫県の山中で発掘した穴場の絶景スポットを紹介することにしよう。無料で景観を堪能できるうえに、マニアックな「大人の社会見学」まで楽しめてしまう有能スポットだった!?

・いきなり現れる

初めに、本稿は新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が発令される前に取材したものであることを述べておく。大変な状況が続いているが、事態が終息したあとの参考として読んでいただければ幸いだ。

別件の取材も兼ねて兵庫県へと来ていた筆者は、近くに絶景スポットがあるという情報を頼りにバイクを走らせていた。朝来市街から国道9号線、国道427号線を経由して南へ。ときおりすれ違うバイクに手を振りながら、先へと進む。

さらに国道429号へと乗り継ぎ、そこから北へ分岐する細い山道へと分け入る。そろそろどこかでバイクを停めて休憩を……そう思った矢先、筆者の目に衝撃の光景が飛び込んできた。

先ほどまで何もなかった山の中に、突如として数十メートルはあろうかという巨大な石の壁が現れたのだ! 何ぞコレ(笑)

手前の民家と比べれば一目瞭然の巨大さ。いったいこれは何なのか。謎の古代遺跡か。はたまた地球侵略を企む異星人の前線基地なのか。

いずれにせよ道路は石壁に沿うように続いており、上の方まで登っていけるようだ。よし、宇宙人の基地なら俺が成敗してやろう。いちおう小学生のころ空手やってたからな。週に1回くらいしか行ってなかったけど。

てなわけで頂上を目指して進んでいくと……

今度は巨大な湖が現れた。湖……ここにUFOでも潜んでいるのか!?

・壁の正体は

と言いたいところだが、実はこの場所はダムなのだ。関西電力が水力発電に利用している黒川ダム

あの石壁はダムの壁だったということだな。どおりで巨大なわけだ。え、宇宙人の基地じゃなくて少しガッカリ? いやいや。かなり良い場所だぞ、ここ。

なんといっても眺めが素晴らしい。緑豊かな山々をバックに、空の色を反射してブルーに輝く湖面。水面には少しの波紋も立たない。時間が止まったかのように、静寂が全てを支配している。じっと眺めているだけで、心が洗われるようだ。

ダム湖を一望できる堤頂通路は無料で開放されており、徒歩での見学が可能となっている(利用時間は季節などにより変動する場合あり。筆者が訪問した際は10時30分~16時)。

登ってきた山側の景色も圧巻で、いかに高い場所にあるかというのを実感できる。ほとんど人はいないし、なかなか穴場の絶景スポットといえるのではないだろうか。こういう場所が好きな人は、ぜひ覚えておいてほしい。

・大人の社会見学

これだけの美景を誇るものの、ここは本質的には観光スポットではなく水力発電用のダムである。しかし穏やかな湖面を眺めていると、これが電気を生むための施設だとは思えない。てか、そもそも水力発電ってどういう仕組みなんだ? 知ってるようで知らない。

かいつまんで言うと、水力発電とは高低差のある場所を水が流れる際に生じる位置エネルギーを利用するものらしい。要するに高いところから低いところに水をバシャーッと流して、その勢いで発電装置を回すといったところか。

しかし筆者のような人間には、そもそも位置エネルギーといわれてもピンと来ないのですが……。水がどこかに流れていく光景が見えるわけでもないし。

そこでひらめいた。この黒川ダムは、下流にある多々良木ダムとの高低差を利用して発電を行っている。ということは多々良木ダムまでの道のりは急斜面になっているはずだ。そこを駆け下りれば、何となく「位置エネルギー」っぽいものを感じられるのではないか?

せっかくここまで来たのだから、ちょっぴりインテリジェンスに「大人の社会見学」をしていっても良いのでは。さっそく黒川ダムの周遊道路から脇道へと入り、多々良木ダムの方へと向かってみる。

すると、最初は少し上り坂だったものの……

すぐ頂上に行き当たり……

あとはひたすら急な下り坂! うひょー!!

ギアは余裕のニュートラル。それでもバイクは前へと進む。こ、これが位置エネルギー!

黒川ダムから多々良木ダムまでの道のり、約7km。ほとんどガソリンを燃やすことなく到着してしまった。位置エネルギーを利用する水力発電がクリーンだといわれる理由、なんとなく分かったな!

教科書はなくとも、自らの体で学ぶ。これこそ「大人の社会見学」だと思わんかね!?

いささかマニアックな楽しみ方もできるダム巡り。ダムや工場などの実用的な施設は、景色を楽しむ以外にも色々な発見があって面白いのではないかと思う。こういったジャンルのお出かけスポットも、たまにはアリではなかろうか。

Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.

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