クリームの誕生と解散〜ロック史に新たな潮流を生み出したトリオバンドの強烈なグルーヴと不協和音
1966年7月16日。
この日はロック史に新たな潮流を生み出したトリオバンド、クリームが結成された日といわれている。
ベース&ボーカルのジャック・ブルース。
ギター&ボーカルのエリック・クラプトン。
ドラムスはジンジャー・ベイカー。
彼らはBluesとサイケデリックロックを融合した強烈なバンドサウンドを完成させ、後進のアーティスト達に大きな影響を与える存在となった。
即興を取り入れた3人の演奏スタイルは“ハードロックの元祖”として伝説化されており、さらにはプログレッシブロックの源流になったとも言われている。
1960年代後半から70年代にかけてのロックシーンでは、すでに名のあるプレイヤーが集まって新しいバンドを結成するスタイル、いわゆる“スーパーグループ”の誕生が盛んだった。
ハンブル・パイ、フェイセズ、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング、バッド・カンパニー…などなど。
中でもクリームは、その先駆であり代表格のバンドだった。
ヤードバーズを脱退し、一時はジョン・メイオール率いるブルース・ブレイカーズに在籍して、当時すでにギタリストとして脚光を浴びていたクラプトン。
元マンフレッド・マンのジャック・ブルース。
グラハム・ボンド・オーガニゼーションのジンジャー・ベイカー。
彼らは一体どんな経緯で出会ったのだろう?
──1966年3月、クラプトンは短期間ブルースブレイカーズでプレイしていたジャック・ブルースと出会う。
当時、クラプトンは単発プロジェクトのパワーハウスを立ち上げようとしており、そこにジャック・ブルースを誘ったことが“事の始まり”だった。
クラプトンはブルースのボーカルとベースの腕前に感動し、彼と継続的にやりたいと思っていた。
──同年の7月、クラプトンは当時グラハム・ボンド・オーガニ ゼイションのメンバーだったジンジャー・ベイカーと出会う。
当時、同バンドにはジャック・ブルースも在籍していた。
この頃ベイカーは、ボンドの薬物中毒による精神の不安定さにうんざりしており、彼のバンドでプレイする事に嫌気がさしていた。
また、ブルースはボンドのバンドに所属していたものの、ベイカーとは仲が悪いことで有名だった。
そんなゴタゴタした事情があるにも関わらず、彼らはクラプトンと共に新たに立ち上るトリオバンドのために互いの対立を保留した。
バンドは「Cream(クリーム..