People Are Strange まぼろしの世界〜音楽とアートは今よりずっと親密な関係だった
「People Are Strange」/ザ・ドアーズ
この「People Are Strange」は、1967年10月にリリースされたドアーズの2ndアルバム『Strange Days(まぼろしの世界)』に収録され、シングルカット盤はビルボードチャートで最高12位を記録した。
ジム・モリソンは、当時からいわゆる“天才肌”といわれ、ロックバンドのボーカリストである前に“詩人”だった。
ドアーズと言えば「Light My Fire(ハートに火をつけて)」や「Love Me Two Time」をはじめとする代表曲がいくつかあるが、実はそれらの歌詞を書いたのはギタリストのロビー・クリーガーだった。
彼はそれこそジム以上に“ジム・モリソンらしく”響く言葉を書くことが出来たのだ。
ロビーの曲は比較的ポップゆえに大衆にも受けたし、実際にいい曲ばかりではあるのだが…やはりドアーズにはジムが手掛ける曲も欠かせなかった。
この「People Are Strange」はジムとロビーの共作らしいが、歌詞はジムによるものだ。
ドラムのジョン・デンスモアは、あるインタビューでこの曲の歌詞について「モリソンのvulnerability(もろさ)が現れている。」と語っている。
周囲に対する違和感・疎外感を歌ったジム。
シンプルな言葉でそれらを過不足なく表現してしまうところに、彼の非凡な才能を感じずにいられない。
お前がよそ者であるとき
人々はよそよそしい
お前が独りぼっちのとき
人の顔は醜く映る
この写真は、ドアーズの2ndアルバム『Strange Days(まぼろしの世界)』のインナースリーヴに使われたものだ。
そう、あんなジム・モリソンには二度と巡り会えなかった。
あの写真はドアーズ伝説の大きな部分を占めることになる。
彼の人生のピークをボクは捕まえたんだと思うよ。
――Joel Brodsky(ONE AFTERNOON IN NEW YORK /1981年)
撮影したのは写真家のジョエル・ブロツキー(1939年10月7日〜 2007年3月1日)という男。
これまで、彼の作品(写真)は400枚以上ものアルバムを飾ってきた。
たとえ彼の名を知らなくても、アレサ・フランクリン、トム・ウェイツ、ロッド・スチュワート、ヴァン・モリソン、キッス、ストゥージーズ、MC5などのアルバムジャケッ..