Big Yellow Taxi〜環境問題に鋭く切り込んだジョニ・ミッチェルの名曲はこうして生まれた

この記事は約6分で読めます。


彼らは楽園を掘りおこし舗装して
駐車場とピンクのホテル
それにブティックとディスコを建てた
でもそれってよくある話じゃない?
失ってはじめて気づくなんてね…
彼らは楽園を掘りおこし舗装して駐車場を作った


この「Big Yellow Taxi」は、ジョニ・ミッチェルが1970年の4月に発表した3rdアルバム『Ladies of the Canyon』からシングルカットされた楽曲だ。
環境問題をテーマにした歌で、彼女が自身で吹き込んだ曲としては最初にヒットしたシングルとなった。
曲がヒットする前年の1969年11月29日に、マサチューセッツ州ウースターで行ったコンサートのステージ上で彼女はこんなことを語った。
「2週間前ハワイ(ワイキキ)に行ったの。ハワイに行くのは初めてで、できたら島をもっと見たかったのだけれど…なんだかがっかりして実は2日間しか滞在しなかったの。夜の11時に着いて、翌朝ホテルの窓のカーテンをさっと引いたら案の定そこは天国だったわ。生い茂った緑の丘。すりばち状の山がそびえ、鳥たちは低く飛び回り、インドハッカ(スズメ目ムクドリ科ハッカチョウ属に分類されるアジア産鳥類の1種)がいたるところにいたわ。ところがその美しい景色の真ん中に位置していたのは巨大な駐車場だった…。それで私はこの曲を書いたの。」
大気汚染が進み、自然が破壊されてコンクリートやアスファルトに変わってゆく…
20世紀以降、人類が繰り返してきた過ちを、彼女は「それってよくある話じゃない?」と歌い、そしてこう付け加えた。
「失ってはじめて気づくなんてね…」
当時、ワイキキのフォスター植物園では、自然に生えているヤシの木を引っこ抜いて温室の中に閉じ込めて、入場料を取って観光客に見せていた。
歌の中で彼女はそのことを皮肉ったあとに、視点をハワイからリンゴ農家へと移し、農薬漬けとなった農作物を嘆く。

ねえねえ、お百姓さん
DDT(毒性農薬)を使わないで!
林檎にまだら斑点があるのは普通のこと
鳥や虫たちを殺さないで!どうかお願い!
でもそれってよくある話じゃない?
失ってはじめて気づくなんてね…
彼らは楽園を掘りおこし舗装して駐車場を作った



単に果実の見た目をよくするために使われる農薬は、害虫を駆除するだけではなく、それを食べる鳥の体内にも入る。
歌詞に登場するDDTという農薬は第二次大戦後、アメリカ政府によって世界中で使用されたものだ。
戦後、貧しく不衛生な生活を強いられていた日本では、ノミやシラミを駆除するために、子どもたちが全身真っ白になるほど噴霧されたていたという。
当時はまだその“魔法の粉”に、発がん性の毒性があることや、自然界で分解されにくいこと、そして長期間にわたって土や地下水に残留することなどは公表されていなかった。
1962年に生物学者レイチェル・カーソンが発表した書籍『沈黙の春』には、その危険性がはっきりと綴られていた。
戦後の高度経済成長と科学万能主義をすべて肯定してきた世界中の人々は、この頃から徐々に環境破壊を繰り返す社会に疑問を抱きはじめたという。

昨日の深夜、網戸がバタンと閉まる音が聞こえて…
あの人が大きな黄色いタクシーに乗って何処かへ行っちゃった
でもそれってよくある話じゃない?
失ってはじめて気づくなんてね…
楽園はすっかり舗装されて今では立派な駐車場


この歌の最後の章では「あの人が大きな黄色いタクシーに乗って何処かへ行っちゃった」と歌われている。
“大きな黄色いタクシー(Big Yellow Taxi)”はブルドーザー、そして“あの人(Big old man)”とは自然をあらわすメタファーなのだという。
1970年代の初頭、若者たちの感心はヴェトナム戦争への反対運動から徐々に環境問題へと移りはじめていた。
「油は海に捨てられ、魚は水銀だらけ」と歌ったマーヴィン・ゲイの「Mercy, Mercy Me」(1971年)と並ぶ“エコロジーソング”の先駆けとなったこの歌は、その後、ボブ・ディランやエイミー・グラント、ネーナ、カウンティング・クロウズらにカヴァーされており、1997年にはジャネット・ジャクソンが「Got Till It’s Gone」というタイトルでQ-Tipのラップとジョニ・ミッチェルの声を効果的にサンプリングさせたヴァージョンを発表し、大きな話題となった。
<引用元・参考文献『プロテストソングクロニクル 反原発から反差別まで』ソニーミュージックマガジン>







こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。


【佐々木モトアキ独り唄いTOUR“歌ものがたり2021”秋冬】
9月11日(土)金沢JealousGuy
9月12日(日)富山(高岡)GOOD FELLOWS
9月17日(金)北海道(恵庭)Mojo Hand
9月18日(土)北海道(札幌)SALINAS
9月19日(日)北海道(苫小牧)M’s Garden
9月22日(水)北海道(札幌)LOG  
10月3日(日)新潟Live Bar Mush
10月8日(金)東広島pasta amare
10月9日(土)山口(下関)T-Gumbo
10月10日(日)福岡(雑餉隈)@-yaya GARAGE
10月16日(土)茨城(古河)Live studio音出事
10月23日(土)吉祥寺Rock Joint GB
10月30日(土)福岡Public Bar Bassic.
10月31日(日)熊本(八代)bar 7th chord
11月3日(水・祝)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
11月6日(土)徳島CROWBAR
11月7日(日)徳島デラシネ
11月12日(金)小倉Bar Disa
11月13日(土)広島OK鉄板
11月14日(日)大分(宇佐)音小屋REBOOT
11月19日(金)仙台 ホームラン酒場
11月20日(土)二戸FREED
11月21日(日)八戸FLAT 
11月22日(月)青森 Be on space222トラスト
11月23日(火・祝)秋田カウンターアクション
11月27日(土)下北沢ニュー風知空知
12月3日(金)名古屋ローリングマン
12月4日(土)岡山Desperado
12月5日(日)大阪 大きな輪
12月11日(土)福岡NIKAI 
12月12日(日)大牟田 陽炎
12月18日(土)所沢 MOJO
↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12692844619.html


新作ミニアルバム『You』のタイトルナンバー「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。


佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。
例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
ライブイベントの紹介・宣伝文や、アーティストの紹介文なども対応できます。
音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。
音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします✒
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
sasa@barubora.jp
090-2669-2666
【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html
【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki

The post Big Yellow Taxi〜環境問題に鋭く切り込んだジョニ・ミッチェルの名曲はこうして生まれた appeared first on TAP the POP.

タイトルとURLをコピーしました